ボルダリングがうまくならない、上達しない人はセルフチェックを!
1 すぐに手に力が入らなくなる場合 2 指が痛くて小さいホールドを持てない場合 3 体をひきよせられない場合 4 足がつってしまう場合 5 腕にばかり意識がいっている 6 得意なムーブばかり使っている 7 ストレッチがきらい 8 中級者の登竜門、ヒールフックが出来ていない
1 すぐに手に力が入らなくなる場合
こういう方は、手がパンプアップしてしまっています。この手の方は、上達に必要な練習量が確保できなくなってしまうので、なかなか上達しないといった状態に陥りがちです。
ボルダリングは、腕にとってはとてもハードなスポーツです。その負荷はとても高く、すぐ乳酸がたまってしまいます。こういった疲労は、血流によってある程度緩和できるのですが、ボルダリングは壁を登りますので、必然的に腕を心臓よりも上にあげています。登っている最中は、手を離せないことが多いので、その体勢を維持し続けるために、腕を心臓より上に上げ続けることになります。
すると、血のめぐりが悪くなり、一気にパンプ状態になってしまうのです。
登っている最中に力が入らなくなった場合は、可能であれば、軽く手を振ったりすると血流が少しは緩和されます。
まずは、血流が悪くならないように、登り始める前にアップをきちんと行うようにしましょう。それだけでも、かなりパンプ防止につながります。
2 指が痛くて小さいホールドを持てない場合
指の腱が痛い場合は、まず休息をとりましょう。こういうときは登ってはいけません。けがは癖になりますから。けがによって練習量が減ってしまったり、ケガをかばって変な癖がついてしまうと、それがうまくならない原因になってしまったりもします。
そうでない場合は、筋力不足が考えられます。ボルダリングで必要な握力はホールド力と呼ばれる、維持する力です。
基本的な筋力が足りていない場合も、上達しない原因になります。どのスポーツもそうですが、最低限の筋力がないと上達は見込めません。
指の場合は、指単体ではなく、上半身全体の筋力アップをはかると、効果的に指も鍛えることが出来ます。
3 体をひきよせられない場合
これは、上半身の中でも特に広背筋が足りていない場合に良く起こります。
広背筋は意識的に鍛えないとなかなか発達しないため、スポーツを行ってきた人でもあまり発達している人は少ないです。
主に懸垂などで鍛えることが可能です。この場合も上半身をまんべんなく鍛えるようにしましょう。広背筋の筋力アップはダイレクトに上達の近道です。
4 足がつってしまう場合
これは、足の筋力不足と柔軟性の不足により起こります。
特にボルダリングは、上半身の筋力任せにすると、途中で上達が止まってしまうことが多いです。必ず足のフットワークが重要になってきます。下半身のパフォーマンスを上げるためにも、きっちり筋力トレーニングを行いましょう。
筋力はスクワットで総合的に鍛えることが出来ます。
なかなか上手にならない方必見!ボルダリング初心者のための下半身筋トレ
全般的に言えることですが、筋力不足は上達しない原因になります。
筋力不足により、すぐに疲れてしまう。その結果、練習量が確保できなくてなかなかうまくならない。
筋力不足により、腱や関節に負荷がかかり、ケガが起きやすくなり、結果練習量が確保できなくなり、なかなかうまくならない。
といった具合です。
もし、筋肉には自信があって、疲れ知らず、だけど、なかなか上達しないといった人がいたら、その時は、ムーブを見直しましょう。
5 腕にばかり意識がいっている
男性に多いですが、腕の力だけで登っている方は、5級や6級で上達が止まって頭打ちになることが多いです。こういうタイプは、ムーブを意識してこなくても腕の力だけでなんとかなってきたことで、それまでの課題でムーブを習得できていなかったため、上達が滞ることになります。
腕に意識がいっていることが多いと感じる方は、基本ムーブをみなしましょう。
ボルダリングの必須ムーブ、ダイアゴナルの習得法!脱初心者の第一歩!
特に、足はきっちり使っていきましょう。ヒールフックやトゥーフックが使えると、一気にグレードがアップしますよ。
6 得意なムーブばかり使っている
得意なムーブばかり使っている方も、上達が途中で止まりがちなので要注意です。
グレードが上がるにつれて、いろいろなムーブが必要になります。基本的なムーブはまんべんなく出来ないと、特定のムーブを想定して組み立てられたコースに太刀打ちできなくなります。
人それぞれ得手不得手があります。低グレードの間は、得意なムーブを極めていくことで何とかなってしまうことが多いですが、よりハイレベルなグレードになるにつれて、限界を迎えます。
得意なムーブに頼ってばかりだと、それしか頼るものがなかったり、それに固執してしまったりと、上達を阻害する原因になってしまいます。
低グレードのうちから、いろいろなムーブを練習して、自分の得意にしがみつかなくてもクリアできるようにしておきましょう。
7 ストレッチがきらい
ストレッチが嫌いな方は総じて体が硬いです。ボルダリングでは柔軟性は特に重要です。
中でも下半身の柔軟性が上達には不可欠です。高グレードになると、フック系のムーブをよく使うようになります。ヒールフックやトゥフックなどですね。
クライミングやボルダリング上達のためのヒールフック!種類別の傾向と対策!
クライミングやボルダリング上達!ヒールフックを安定させるコツと筋トレ講座!
クライミングやボルダリング上達!トゥフックを安定させるコツや筋トレ講座!
引っ掛けるタイプや、体を押し上げるタイプのヒールフックは、より高いところにあるホールドに足を引っ掛ける必要があるため、股関節が柔軟でないと、そもそも引っ掛けることが出来ないため、うまくならないことが多いです。
フック系の上達のために、ストレッチで股関節をきちんとやわらかくしましょう。
8 中級者の登竜門、ヒールフックが出来ていない
ヒールフックは、中級者の登竜門といっても過言ではありません。最も基本的かつ、汎用的に使うことが出来る足系ムーブです。
ヒールフックが出来ていないと、足系の課題が増えてきたタイミングでうまくならない状態に陥ることが多いです。
ヒールフックにはいくつかの種類があります。
最も基本的なのは、文字通り引っ掛けるだけのヒールフックです。
フックと聞いて何を思い浮かべるでしょうか?
S字フックやモノも引っ掛ける固定フックなどを思い浮かべるのではないでしょうか。
これらのフックの特徴は、モノを引っ掛けることで、そのモノを安定させます。
ボルダリングのヒールフックでもかかとを引っ掛けることで、体を安定させることを目的としています。
足の力というのは手の力の数倍の力があると言われています。普段は、手の力で体を安定させるのですが、このヒールフックをマスターすれば手で支えるよりもよっぽど楽に上体を安定させることが出来ます。
感覚的には、文字通り「フック」を「引っ掛ける」感覚で行うとうまくいきます。
次に、体を引っ張り上げる一歩上級のヒールフックがあります。
腿裏のハムストリングの力を動員して、体を引っ張り上げることで上体を引き起こすことをヒールフックで行うことが出来ます。
股関節を外側に開くようにすると、スムーズに力を入れることが出来ます。また、この体勢自体が股関節の柔軟性を必要とします。よりボルダリングレベルを上げるためには、股関節の柔軟性を高める必要があります。
特に男性は、骨格上股関節が固い傾向にあるらしいので、積極的にストレッチを行い、日頃から柔軟性を高めていきましょう。
さらに、その体を引っ張り上げる動作の延長で、体を乗り上げるヒールフックがあります。
体を引っ張り上げた後に、そのまま足を置いているホールドの上に上体を持っていきたい時に使用します。体を引っ張り上げるヒールフックの延長と考えると良いでしょう。
体を引っ張り上げた後に、そのまま体を押し上げるようにします。足の力を使用するというよりも、足の力で引っ張り上げた後に、重心をゆっくりとその足に移動させるイメージで行うとスムーズに出来ます。
引っ張り上げるヒールフックと同様に股関節の柔軟性が重要です。柔軟性が少ないと、股関節を痛めることもあるので、メンテナンスは怠らないようにしましょう。
以上のようにヒールフックにはさまざまなバリエーションがありますが、それらは手だけでは攻略出来ない場面で絶大な力を発揮してくれます。
これらのヒールフックを習得しているかいないかで上達出来るかできないかの分かれ道になります。
だヒールフックを習得していない方は、ヒールフックの習得に着手しましょう。それだけでも一気に上達してグレードがアップします。