ボルダリングにおける下半身の重要性
ボルダリングを始めて少し経つけど、なかなか課題がクリアできないなぁ。もっとさくさくクリアできないと楽しくないなぁ。毎回筋肉痛になるだけで、課題が進まない、もっと達成感が欲しいよ~。
そう思っている方は意外と多いです。今日は、脱初心者のための始めやすい筋トレをご紹介したいと思います。
その前に、なぜ下半身の筋トレが必要なのかについて書いてこうと思います。
実際、下半身を使わずに、上半身、とりわけ腕の筋肉だけで登っていると、30分もしないうちに腕がパンプして握力も無くなり、その日のトレーニングが終了になってしまいます。
ここで下半身が重要になってきます。上半身で支えている体重を下半身に分散することで、上半身の負担を大幅に軽減できます。特に下半身の筋力は上半身の比ではないので、大きな効果が期待できます。
また、低級であればホールドがしっかりしているので、あまり下半身がしっかりしていなくてもすいすい登れてしまいます。そのため、下半身が出来ていない状態で上の級に上がってしまい、停滞するということもよくあります。上の級ではホールドも小さく足を添えにくいもので構成されていることが多くなり、下半身が出来ていないと状態を安定させることが難しくなってきます。
しっかりとした下半身があれば、ヒールフックやトゥーフックなどで容易に状態を安定させることができるようになり、一気に上の級で戦えるようになります。
1 ハーフスクワット 2 ノーマルスクワット 3 カーフレイズ
1 ハーフスクワット
ノーマルスクワットが厳しい方にお勧めの負荷が低めのスクワットです。ハーフスクワットは、90度までいかない、お尻が床と平行になる前に動作を止めるスクワットです。筋力が発達していない方に特におすすめです。
高強度の種目は効果も高いですが、慣れないうちは低負荷のトレーニングを行うことで、けがの発生を防ぎながら効率的に体を鍛えることが出来ます。
スクワット系の種目は、下半身がまんべんなく鍛えられます。中でも腿の裏側のハムストリングが重点的に鍛えられます。このハムストリングがどのようにボルダリングにかかわってくるのか疑問に思う方もいると思います。
ボルダリングではヒールフックという技術があります。ヒールフックとは、ホールドをかかと押さえつけて固定することで体勢を維持する技術です。膝を起点にして、かかとを引き寄せるため、ハムストリングをダイレクトに使うテクニックです。ハムストリングは私生活ではあまり鍛えられない筋肉なので、ハーフスクワットといえども意外ときついと感じる方が多いと思います。
初心者の方は、まずハーフスクワットから始めてみましょう。
2 ノーマルスクワット
ハーフスクワットが問題なくできる方やよりみっちりと下半身を鍛えておきたい方には、ノーマルスクワットをお勧めします。ハーフスクワットは90度未満でしたが、ノーマルスクワットでは、太ももが平行になるまで上体を下げて行います。よく部活などで腕の反動を利用して行うようなスクワットを見ますが、それだと効果が半減してしまうので、腕の位置は頭の後ろまたは床と平行にして前に突き出すように固定します。腕の反動は利用せずにゆっくり行いましょう。
ハーフスクワット同様、ハムストリングが重点的に鍛えられます。
3 カーフレイズ
カーフレイズは、ふくらはぎを鍛える種目です。簡単にいうとかかと上げ運動です。足首を上下できるような簡単な台の上に立ち、ふくらはぎを収縮させることでつま先立ちの状態になります。その後ゆっくりとかかとを床に下ろします。この一連の流れでふくらはぎの中でも、ヒラメ筋と腓腹筋を重点的に鍛えることが出来ます。
このふくらはぎを鍛えることで、トゥーフックという技術力の向上が見込めます。トゥーフックとは、ヒールフックとは逆でつま先でホールドを引っ掛ける技術です。ヒールフックに比べて難易度がやや高くコツがいりますが、ベースとなる筋肉を鍛えておくことで、より習得が早くなります。トゥーフックをマスターすることで、さらなる競技力の向上が見込めます。
慣れてきたら、負荷を上げるなどの調整をして、上記のトレーニングをしてみましょう。